近年日本でも静かなムーブメントが拡がっているポストクラシカル。
欧米では、古くはエリック・サティ、フィリップ・グラスに始まり、1970年代ブライアン・イーノから生まれたアンビエント・ミュージックの流れから、更に2010年以降、映画音楽からじわじわと音楽リスナーを魅了し、マックス・リヒター、ニルス・フラームなどを代表とするポストクラシカルという新しい音楽が生まれている。
このアルバム「On [穏]」は、音と音の間の残響音(reverb)を大切にした作品である。収録された12曲は、本人がスコットランド、エディンバラ大学院在学中に大学内にあるピアノや、駅のホームに置かれているピアノを日々弾くことから少しずつ形作られていった。一人ピアノを弾いていると、多くの人が立ち止まり耳を傾け拍手を送ってくれることから、バンドで長年ギターを弾い歌ってきた彼が「自分一人でもこういう、間のある音楽をピアノで弾けば、みんな喜んでくれるんだ」と気づいたという。スコットランド
の石の建物が作り出すピアノの長い響きに多くインスパイアされて生まれた楽曲群である。
またアルバム録音途中の旅でオランジェリー美術館のモネの睡蓮の間、ジヴェルニーのモネの庭を訪れ、その繊細でいて豪快な色使い、空間の捉え方に、レコーディング過程でピアノの響きを作る際、多くインスパイアされた。録音は、2018年3月終わりから、主にSONY MUSIC STUDIOS TOKYO で行われた。
Written and Performed by Akira Ogawa
[Additional Players]
Cello: Seigen Tokuzawa
Drum: Kuniaki Suzuki
ゆらぎの海へゆっくりと漂って
直線時間からの解放。
まっすぐな素の自分に還る。
闇のようでもあり、光のようでもある空間。
私たちは繋がるどこかに回帰していくことを知っている。
その懐かしさと全ての怖れを手放す感覚が、この音にある。
それは、愛そのもの。
金子飛鳥 (ヴァイオリニスト)
この場に音が響くことで、<響かせることはできない>空間・距離が立ち現れてくる。
白い画面に枝を描くことで、<描くことはできない>空間・距離が立ち現れてくる。
小川アキラさんの On/穏 を聴いたとき、
私が絵で求めている、測りしれない空間・距離が重なった。
日高理恵子 (画家)
AKIRA OGAWA
1983年東京、赤坂生まれ。オルタナティブロックバンドsonic&trip を2003年に結成。作詞作曲、ギター、
ボーカルを務める。インディーズレーベルより4枚のアルバムをリリース。その後、カナダ、スコットランドへ。
2014年カナダ、アイスランド、フランス滞在を経て、2017年スコットランドのエディンバラ大学院教育学
修士課程を卒業。その滞在中に多くの絵画、音楽にインスパイアされ、このピアノアンビエントアルバム
「On[穏]」 が生まれた。
アルバムのアートワークは、画家の日高理恵子氏によるもの。
2018年9月8日から10月6日、小山登美夫ギ
ャラリー(東京、六本木) 日高理恵子「見ることー作品集1979-2017より」 において、このアルバムとの
コラボレーションが行われる。
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